「旅行会社への就職はやめとけ」って言われるけど実際はどうなの?
旅行会社は仕事がきついイメージがあるんだけど・・・
旅行会社に就職するメリットとデメリットを知りたいな。
旅行会社で働きたいけど業界的にもいろいろ大変な時期ですし、実際に旅行会社に就職するのは大変なのか気になりますよね。
その気持ちすごくわかります。
なぜなら私自身も国内外で旅行業に携わってきた経験があり、実際に旅行会社がキツすぎてやめたことがあるからです。
憧れて入社した旅行会社で、まさかストレスを溜めて将来が見えなくなって辞めることになるなんて思いもしませんでした。
そんな旅行会社での経験も交えながら、旅行会社で働くメリット、デメリットもまとめていきます。
申しおくれました。
大阪のとある旅行会社で約3年働き、フィリピン・セブ島での旅行事業立ち上げや現地で責任者としても旅行業界に携わってきたあこさん(@kouji_akou)です。
あこさん
旅行業界に憧れ22歳で旅行専門学校に入学。大阪の旅行会社に就職するもパワハラ・給料11万・サビ残100時間のブラック旅行会社で約3年働く。
その後、フィリピン・セブ島で団体旅行事業立ち上げと現地責任者を歴任。
現在はメディア運営、習慣化コーチ、マーケティングサポート、留学サポートなど複数の仕事をしている。
※総合旅行業務取扱管理者
この記事では旅行業界での実際の体験を元に、「旅行会社で働くメリットとデメリット」を詳しくお教えします。
併せて「旅行会社に就職するのはやめておいた方がいいのか?」もお伝えできればと思います。
憧れやイメージだけで旅行会社に就職すると後悔する可能性があるので、しっかりとメリットとデメリットを理解しておきましょう。
2、3分でサクッと読める記事ですので、旅行会社に入社する前にぜひ参考にしてみてください。
それでは本文へどうぞ!
旅行会社で働くメリットとデメリットをご紹介します
実際に旅行会社で働いてきた経験をもとに、メリットとデメリットを3つずつご紹介していきますね。
旅行会社で働く3つのメリット
旅行会社で働くメリットは以下のとおりです。
・格安で旅行に行ける
・好きな旅行を仕事にできる
・お客さまから感謝されるしやりがいがある
それではひとつずつ紹介しますね。
格安で旅行に行ける
旅行会社に就職すると、格安で旅行に行けるというイメージを持ってる人も多いんじゃないでしょうか。
これはそのとおりです。
もちろん働いている旅行会社によって違いますが、格安で旅行に行けたりタダなんてこともあります。
僕が経験した具体例でいうと以下のとおりです。
・沖縄の1泊約6万円のホテルが旅行会社用のモニター価格1万円で宿泊できた
・大阪から沖縄の航空券(大手航空会社)が片道約5,000円〜
・レンタカーがタダで乗り放題
・普段仕事でお世話になっている観光地が入園料と料理を無料で提供してくれた
など、数え切れないぐらいの恩恵を受けました。
実際に旅行会社スタッフが旅行体験をすることにより、実体験をもとに接客できた方が魅力が伝わりやすくなります。
観光業関連の人たちも旅行会社スタッフをもてなすことで、お客さまに魅力を伝えていただいて集客につながればという思いはあるはずです。
もちろん普段からお世話になっている旅行会社への恩返しの意味合いもあるでしょう。
旅行会社に就職すると、もしかすると格安で旅行に行けるかもしれませんね。
働いている旅行会社や業態によって大きく異なるので注意しましょう。
好きなことを仕事にできる
みなさん旅行好きですよね?
おそらく旅行が嫌いな人は少ないと思います。
そんな大好きな旅行に毎日関われるなんて最高と思いませんか。
ちなみに私は地図を見るのも大好きなので、旅行会社の仕事は天職でした。
私自身も旅行の商品企画をさせてもらったり、行ってみたかった旅行先に添乗の仕事として行けることもありました。
旅行会社で働いていると言うと、友人・知人からの評判も良かったですね。
接客のときについ大好きな旅行先の話になって、楽しくなってお客さまと盛り上がっちゃうなんてこともありました。
接客しているときは楽しい気持ちで仕事できることが多かったです。
お客さまから感謝されるしやりがいがある
旅行会社で働いていると、お客さまから感謝されることも多いです。
旅行が終わってからわざわざ店舗まで来てくださり、お土産を持ってきてくれる人もいました。
店舗に来るたびに私を指名してくれるお客さまも多かったですし、大変なことも多かったですがやりがいをすごく感じる仕事でしたね。
あと、ツアーコンダクターとして添乗させてもらったお客さまとすごく仲良くなって、プライベートでの交友を深めることなんてこともありました。
お客さまから「ありがとう。楽しかった」とか「また申し込むね」って言われると「やってて良かった」って感じます
旅行会社で働くデメリット
ちまたでは旅行会社は「花形の職業」などと言われています。
その一方で、表には見えない「旅行会社で働くデメリット」も多く存在します。
憧れだけで就職をすると大変な思いをしてしまうかもしれません。
旅行会社に入社したくて就職したのですが、デメリット面もありすぎて最終的には辞めてしまいました。
・給料が安い
・激務すぎて疲弊する
・お客さま対応がキツい
以下で説明していきます。
給料が安い
はっきり申し上げると、旅行業界は”給料が安い”で有名です。
旅行業界の給料についてのデータもいくつかあるので紹介させてください。
データの出典元 | 旅行業界の平均年収 | 全産業の平均年収 |
---|---|---|
日本経済団体連合会(2023年) | 401万円 | 528万円 |
厚生労働省(2018年) | 422万円 | 512万円 |
マイナビ(2022年) | 432万円 | 486万円 |
上記の表はAIにデータをまとめてもらいました。
旅行業界の詳しい給与水準は、年度、職種、調査方法などによってバラバラなので、あくまでも上記の表は参考程度に閲覧していただければと思います。
ただひとつ言えるのは、全産業の平均年収と比較して旅行業の平均年収が少ないとのデータが出ています。
もちろん大手旅行会社や職種によっては高い給料がもらえることもありますが、旅行業界全体で見ると”給料が安い”と言わざるを得ません。
家族を養っていくと考えると、男性は特に厳しいかも・・・
激務すぎて疲弊する
旅行会社に就職しても忙しすぎて旅行に行く暇もないということがあります。
“サービス残業当たり前”や”有給取得できない”などのブラック体質の旅行会社も多いです。
営業時間外の掃除、事務処理やそもそもの営業時間が長いなど、長時間労働になりやすく残業代も発生しないなんてこともよくあります。
お客さまのために丁寧にやればやるほど激務になり、さらにサービス残業も増えていく難しい業界なのかもしれませんね。
サービス業=サービス残業って当時はよく言ってましたが、あながち間違ってないと思います。
激務すぎるがゆえに、離職率も高いのが旅行業界です。
入社3年目までに7割が辞めるというデータもあるぐらい、憧れだけで入社して離職してしまうというパターンが後を断ちません。
私も約3年で旅行会社を辞めましたが、その間で同期の離職率は80%超えでした・・・
お客さま対応がキツい
楽しい経験を売る仕事でもあるので、基本的には喜んでもらえたり感謝してもらえることが多いのですが、中にはキツいお客さま対応を迫られることがあります。
・悪天候や自然災害への対応
・手配ミスや人為的ミスの対応
・お客さまの無理な注文への対応
例えば、悪天候や自然災害による大幅な旅行スケジュールの変更は地獄のような対応に追われることもあります。
現地のホテル、レンタカー、飛行機、スタッフなど、手配の変更やスケジュールの調整など。
場合によってはお客さまへの返金手続きなども絡みます。
台風で沖縄から帰ってくる便が連日欠航したときには、以下のような連絡が入ったときもありました。
「明日は大事な会議があるんだ!振替便の予約が取れず困っている。なんとかしてくれ!」
「妻に内緒で彼女と旅行に来ている。明日の振替便が取れない。なんとかしてくれ!」
「なんとかしてくれ!」って言われても・・・苦笑
結局、飛行機は欠航か満席で予約は取れず、「責任を取れ!」などの理不尽なクレーム対応に追われたことも。
それでも旅行会社スタッフは常に冷静に対応が求められます。
正直、いいことばかりではなくお客さま対応がかなりキツいこともありましたね。
今、旅行会社で働くのはやめとけ?それともあり?
それでは、今の時代に旅行会社への就職はやめておいた方がいいのでしょうか。
結論から申し上げますと、旅行会社に就職したい人はぜひ就職しましょう。
ただ、すべての旅行会社をオススメすることはありません。
将来的なことも考えてどんな旅行会社は避けた方がいいかは理解しておくべきです。
以下、3つの特徴を持つ旅行会社に就職するのはやめておいた方がいいでしょう。
1.副業が禁止されている
2.離職率が高そうな求人は避ける
3.ITの導入が遅れている
1.副業が禁止されている
まずはじめに、副業が禁止されている旅行会社に就職するのはやめておきましょう。
理由としては、シンプルに時代遅れだからです。
副業してる暇があったら会社に尽くして昇進することを考えろ!
こんな上司のいる旅行会社には絶対に行ってはいけません。
終身雇用も守られるかわからないこれからの時代に、一つの旅行会社にすべてを依存して働き続けるなんてもってのほか。
旅行会社で働きながら一つでも副業の柱を持っておくだけで、精神的な安定感は大きく変わります。
仮に転職するとなっても、旅行会社と副業で経験したことやスキルがあればより良い転職や今後のキャリアを歩むことができるでしょう。
時代の変化とともに副業解禁してきている旅行会社も増えてはいますが、まだまだ副業禁止の旅行会社も多いと聞いています。
実際に副業をするかどうかは別として、就職する前に”副業禁止の時代遅れな旅行会社”かどうかは確認しておきましょう。
2.離職率が高そうな求人は避ける
離職率の高そうな旅行会社はできるだけ避けましょう。
優秀な人材ほど他の会社に転職したり起業・独立などができるので、離職率が高い会社に残っている社員が優秀じゃない可能性があります。
優秀な先輩や上司がいない旅行会社では、将来のキャリアに繋がるような貴重な経験や学べることは少ないです。
離職率の高い旅行業界でNGな旅行会社かどうかを見分けるヒントを3つ紹介します。
・いつも中途採用の求人が出ている
・Google Mapの口コミを調べる
・就活用や転職用の口コミサイトで調べる
旅行業界に限った話ではないですが、いつも求人が出ている会社は入れ替わりが激しい可能性が高いです。
言い換えるとブラックな体質で離職率の高い旅行会社かもしれません。
また、Google Mapや口コミサイトで会社の評判を調べることもできます。
私が以前働いていたとある職場では、Google Mapの口コミ評価が★1.6でした。
さすがにひどすぎないか?笑
お客さまからの評価が低い会社やサービスは、総じてスタッフや経営陣のレベルが低いです。
場合によってはブラック企業ということもありえます。
ありとあらゆる手段を使って離職率が高そうな旅行会社は避けましょう。
3.ITの導入が遅れている
結論から言うと、ITリテラシーの低い古い体質の旅行会社はやめておいた方がいいです。
理由として、テクノロジーの進化による時代の変化がますます速くなり、会社としても個人としてもこれからの時代を勝ち抜くのは厳しくなるからです。
感染症によってオンラインで業務を進めるリモートワーク、テレワークが増えたのもここ最近ですよね。
VUCA時代と呼ばれている変化の激しい現代で、まだアナログで紙中心の業務をしているような会社ではいずれ淘汰されます。
旅行業界でもまだまだ事務的な作業が多く、紙ベースでアナログなやり方をしている会社があります。
接客スキルは大事なので身につけておいて損はないですが、事務的な作業や単純作業はテクノロジーの進化により必要なくなります。
旅行会社に就職する前にしっかりと会社情報を調べ、必要があれば面接のときに現状のIT推進について聞いてみましょう。
時代の変化とともに会社や個人に柔軟に対応していかなければなりません。
まとめ:旅行会社で働く場合はメリットとデメリットを理解しておこう
それでは今回の記事をまとめます。
・旅行に格安で行ける
・好きな旅行を仕事にできる
・お客さまから感謝されるしやりがいがある
・労働条件が良くないところが多い
・時間の自由が利かない
・休日もお客さま対応に追われることも
旅行会社って華やかなイメージがあるかもしれませんが、実際はキツイことも多いです。
しかし、やりがいも感じやすい職種でもあるので、興味のある人は挑戦してみてください。
もし旅行業界に挑戦するときは、ぜひ就職をやめておいた方がいい旅行会社も理解しておきましょう。
1.副業が禁止されている
2.離職率が高そうな求人は避ける
3.ITの導入が遅れている
私はブラック体質の旅行会社に就職してしまったがために、かなり精神的も体力的にも疲れてしまったので。
今回は以上です。