こんにちは。工場の製造現場で約8年勤務してたくさんの危険な事例を見てきたあこさん(@kouji_akou)です。
今回の記事では工場ってやっぱり危険なの?危険度を下げる方法は?という疑問をお持ちの方に向けて、工場現場経験の豊富な私が、実例を交えて詳しく解説していこうと思います。
結論、工場は危険なのですが部署・部門によります。
もちろん事務職のような仕事もあるので、どちらかというと製造現場が危険なことが多いです。
そして、安全に工場での作業ができるような訓練の事例もあわせて紹介しようと思います。
それでは本文へどうぞ!
・工場は本当に危険なの?
・工場での危険度を下げるには危険予知訓練が有効
工場は本当に危険なの?
工場は全てとは言いませんが、一般的な会社よりは危険なことが多いです。
主に製造現場などの生産に関わる部署・部門に危険が潜んでいることが多いでしょう。
実際には全ての工場が危険というわけではありませんし、事務系の業務もあるので工場=危険というのは主に製造現場などのことを指します。
工場の製造現場は特に危険な作業が多い
工場の中でも事務系の部署ではなく、製造現場などでの作業になってくると危険度が上がります。
特に男性は製造現場に配属されることが多く、ガテン系(肉体労働)のような力仕事を任されることもしばしば。
そういった部署だとどうしても事故や怪我の危険性が出てくきますね。
ちなみに私が働いてきた工場ではガテン系の製造現場が多かったです。
どこの工場にも「安全第一」や「ゼロ災害でいこう」などの言葉が掲げられていました。
その言葉を噛みくだいて解釈すると、工場現場は危険だから「安全第一でゼロ災害でいこう」というメッセージが込められていると感じました。
工場ではどういった危険事例があるの?
工場での危険事例は現場によって様々です。
5つ以上の工場で働いた私の経験で考えられる危険事例をいくつかあげてみようと思います。
・回転体(ベルトコンベアなど)に衣服や腕が巻き込まれる
・薬品が体にかかったり人体に有害な薬品を吸引してしまう
・手の洗いすぎや同じ作業で肌荒れや腱鞘炎など
・熱水の配管や抽出釜などに体の一部が触れてしまい熱傷
・そのほかにも裂傷による出血やフォークリフトに轢かれて骨折など
適当に危険事例を出しましたが、数え切れないほどの危険が潜んでいるのが工場や製造現場です。
実際に私や同僚の事例で言うと、頭をぶつけて裂傷したり鉄の重たいフタに手首を挟まれたりといった危険事例もありました。
それ以外にも重いものを持ったり同じ作業の繰り返しで腰を痛めたり、あらゆる箇所の不調を訴える人も。
また三交代勤務による不規則な生活などで、尿結石や精神的に病んでしまう人もいましたね。
身体的にも精神的にも、いろんな面での危険が考えられるのが工場の製造現場です。
出来るだけ危険な目に遭いたくない人は、工場の製造現場などで働くことは向いていないと考えています。
工場での危険度を下げるには危険予知訓練が有効
工場の多くに「安全第一」「ゼロ災害」などといったスローガンが掲げられているところがあります。
それはやはり危険な作業がつきものの工場で、しっかりと日常の業務から安全第一でゼロ災害で作業に取り組もうという表れです。
その代表的なものが危険予知訓練というものです。
詳しく解説します。
工場では危険予知訓練(KYT)をおこなって未然に怪我や事故を防ぐ
工場では、実際にどのようにして安全第一でゼロ災害を目指すのでしょうか。
工場での危険を防ぐためには、しっかりとした対策や訓練が大切になってきます。
その代表的なものが危険予知訓練(KYT)といわれるものです。
全ての工場で取り入れられているわけではないと思いますが、危険予知訓練をすることによって災害に会う確率を限りなくゼロにしよういう取り組みのこと。
実際に危険予知訓練とはどのようにして行うのでしょう。
危険予知訓練(KYT)の進め方
危険予知訓練(KYT)の具体的な進め方を紹介します。
危険予知活動を進めるには、まず、KYTの体験学習が基本となります。KYTは4ラウンド(R)法でホンネの話し合いを進めます。
第1R(現状把握)どんな危険がひそんでいるか
第2R(本質追究)これが危険のポイントだ
第3R(対策樹立)あなたならどうする
第4R(目標設定)私たちはこうする
このような手順で危険予知訓練をおこなっていきます。
それでは順番に図解付きで解説していきます。
第1R(現状把握)どんな危険がひそんでいるか
まずはこちらの画像にあるイラストを見て、このシチュエーション(外部非常階段の扉の塗装を行うため、ペーパーがけをしている)ではどのような危険が考えられるか?
考えられる危険をみんなで考え、それぞれいろんな意見を出していきます。
第2R(本質追究)これが危険のポイントだ
次のステップはみんなが出した意見を紙に書き出して、重要な部分に○をつけます。
そして、一番危険で重要だと思われるものに◎とアンダーラインを引きます。
1.風にあおられて扉が閉まり手を挟む
2.踏み台が手すりに近く高いので、後ろ向きで降りようとしたとき、手すりを越えて転落する
3.風にあおられて扉が開き、踏み台を踏み外して転落する
4.踏み台を踏み外し、バケツをけとばして下の人に当てる
5.顔を近づけてペーパーがけしているので風でこながとび散り目に入る
この事例では上記の5つの意見が出されており、2番が一番重要とされていますね。
そして◎の項目をみんなで指差ししながら唱和します。
第3R(対策樹立)あなたならどうする
第3Rでは一番危険で重要だと思うものに対して、どういった安全対策が適切かのアイデアを出し合います。
この事例では「踏み台を壁側に寄せる」「安全帯着用」「踏み台を開いた扉の内側へ置く」といった意見が出されています。
第4R(目標設定)私たちはこうする
第4Rでは一番有効だと思う安全対策に絞って、それをもとにチーム行動目標とします。
この事例では「踏み台を使うときは、踏み台を壁側に寄せて置こう」となっています。
最後に指差し呼称で確認を
そして「踏み台位置壁側ヨシ!」のように指差し呼称項目を決めて3回唱和します。
最後にタッチ・アンド・コール「ゼロ災でいこうヨシ!」とみんなで唱和して危険予知訓練(KYT)が完了します。
まとめ:工場は危険がつきものなので落ち着いて確実な作業をすることが求められる
それでは今回の記事をまとめます。
・工場は特に男性などが配属される製造現場が危険なことが多い
・工場では事務職などの安全な部署もある
・工場では危険予知訓練をしっかり行うことによって「安全第一」「ゼロ災害」を目指している
・実際には災害は多発しており、工場=危険というイメージは完全にぬぐいきれない
実際に危険予知訓練は行われるのですが、やはり作業に慣れない新人や慣れてきて気の緩みが見られる人を中心に災害が降りかかることが多いです。
しかし、まったく予知していなかった災害が起こるのも事実です。
工場で働く際は、工場や部署によっては危険が付きものということをしっかりと認識した上で働きましょう。
今回は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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